「みかんの花」 富田美里(広末涼子)が暮らす白綱島市は全国で唯一残る一島一市だったが、対岸の市に吸収合併されることになった。市の閉幕式の会場で、美里は登壇した人物を食い入るように見つめていた。その人物は小説家の桂木笙子。20年前に島を出たきり、一度も帰ってこなかった憎き姉だ。なぜ姉は島を出たのか。なぜ戻ってきたのか。美里がある疑念を口にすると、重い口をようやく開いた笙子は、驚くべき事実を語り始めた…。 「海の星」 浜崎洋平(伊藤淳史)は高校時代の同級生、美、美咲から葉書を受け取った。20年前、洋平の父・秀夫が忽然と姿を消す。事故か事件かそれとも…。毎夜、母と一緒に父の行方を捜す洋平は、ある日、漁師の幸作と親しくなる。頻繁に洋平の家を訪れるようになった幸作とは、あることがキッカケで疎遠になってしまった。その娘の美咲が、最近父に明かされた話を伝えたいという...