上島通子(観月ありさ)は昭和初期から続く浜名湖畔の料亭『花ずみ』に嫁いだが、亡くなった先代の女将キク(松原智恵子)からは「あなたは家庭を守るのが仕事だから」と、料亭からは一切遠ざけられていた。2人の子を育てながら17年間、母として平凡な日々を過ごしていた通子の元に、夫・旬平(前川泰之)の愛人を名乗る女性・矢萩多衣(緒川たまき)が現れる。「ご主人をいただきに参りました」夫の署名入りの離婚届まで持参して、多衣はそう告げた。 通子は、夫・旬平にある提案をする。「離婚届の替わりに『花ずみ』の女将をやらせてもらいます」しかし、その料亭『花ずみ』は通子の知らぬところで多額の負債を抱えており、倒産してしまう。 そこで、通子は愛人多衣から金を借り、自分を裏切った夫を板前に雇い、自分に思いを寄せるゼネコン会社社長・笠井(筒井道隆)の協力で新生『花ずみ』を誕生させる。通...